- 2026年1月14日
なぜ食用米で純米大吟醸に挑むのか? 深い背景と素朴な問い
実はこのお酒、一般的な酒米ではなく、なんと食卓に並ぶ食用米『にこまる』を原料としています。高級日本酒の世界で、なぜあえて食用米を選ぶのか? そこには、創業161年の老舗酒蔵、渡辺酒造の熱い想いと、日本の農業が抱える深い課題がありました。
いま、日本の農業は、猛暑や異常気象、農家の高齢化、肥料価格の高騰、そして「豊作になるほど売値が下がる」という構造的な問題に直面しています。美味しいお米を作っても、それが必ずしも農家さんの収益に繋がらない現実があるのです。🌾😔

異業種から酒蔵経営を引き継いだ山田栄治代表は、この現実に直面し、一つの素朴な問いを抱きました。「なぜ、酒を造るためだけの専用米が必要なのだろう?」酒米への深い敬意を持ちつつも、「食べて美味しいお米なら、飲んでも美味しいお酒を造れるはずだ」という信念が、この新しい挑戦の出発点となりました。
異例の挑戦:食用米を40%まで磨く技術と、農家の喜び
選ばれたのは、高温耐性に優れ、甘みが強く、もちもちとした食感が特徴の食用米『にこまる』。通常、食用米は精米歩合92%前後で食卓に届きますが、『弥栄の酒 寿』では、純米大吟醸の規格である40%まで磨き上げられています。つまり、お米の60%を削り取るという、まさに異例の挑戦です!😲
食用米は酒米に比べて粒が小さく、削るほど割れやすいため、この精米は非常に困難を極めました。精米会社との綿密な連携、原料の厳選、発酵管理の調整、そして杜氏による細かな試験醸造を何度も繰り返すことで、構想からわずか約8か月という短期間での製品化に成功したのです。山田代表は、「この酒は、うちだけで造った酒ではありません。農家さん、精米会社さん、杜氏をはじめ、多くの方の技術と想いが重なって、初めて形になりました」と語っています。🤝

そして、完成したお酒を前に、契約農家さんからこんな忘れられない言葉が贈られました。「自分の作った米が、こんな大吟醸になるとは思っていなかった」。この言葉は、単なる商品開発にとどまらない、農業の未来につながる可能性を山田代表に確信させたといいます。💖

『弥栄の酒 寿』の魅力と、特別な一本を手に入れるには
CBCラジオでの試飲でも証明されたように、『弥栄の酒 寿』は、多くの方が抱く日本酒のイメージを覆す魅力を持っています。食用米ならではの優しい甘みと、純米大吟醸ならではの透明感が織りなす、フルーティーで白ワインのような味わい。これは、農家さんの手から生まれたお米の可能性が、飲む人の驚きとして返ってくる、まさに幸せな循環の瞬間と言えるでしょう。🥂
渡辺酒造は現在、この『弥栄の酒 寿』のみを製造しており、年間生産本数は1万本限定。すべてにシリアルナンバーが付与され、専用の木箱に収められています。価格は1本10,000円(税込)です。
原料米は、食用米『にこまる』100%(非売品)と、酒米の王様『山田錦』100%の二種類があり、あえて同じ40%精米で展開されています。これは、酒米への敬意を示しつつ、食用米の可能性を正面から提示し、飲み手自身の舌でその違いを確かめてほしいという、渡辺酒造のメッセージが込められています。

この特別な一本は、高級飲食店、百貨店、一流ホテル、そして公式WEBサイトで入手可能です。さらに、2026年9月には大阪髙島屋での限定販売も予定されていますので、この機会をぜひお見逃しなく!🎁
「善意」で終わらせない「共生型経営モデル」
渡辺酒造が目指すのは、単なる大量販売ではありません。人生の節目や祝いの席で、「祝いの時は寿で乾杯」と言われるような、心に残るお酒になること。そして何より、食用米に新たな価値を加えることで、農家さんにとっての需要の選択肢を増やしていくことです。
山田代表は、「一つの酒蔵が買い支えられる量は、決して大きくありません」と率直に語ります。だからこそ、この取り組みを一企業の「善意」で終わらせるのではなく、将来的には志を同じくする酒蔵、生産者、流通事業者とも共有できる「仕組み」へと育てていきたいと考えています。
農家よし、酒蔵よし、飲む人よし。近江商人の「三方よし」を、現代の食と農の世界で再構築していく。これこそが、渡辺酒造が描く「共生型経営モデル」なのです。🤝🌍

次の161年へ:日本酒と農業の未来を切り拓く
日本酒は、単なるお酒ではありません。日本の田んぼで育つお米、豊かな四季、祝いの文化、そして人と人との温かい繋がり。そのすべてが詰まった、まさに日本の文化そのものです。🇯🇵

創業161年を迎える渡辺酒造は、この伝統を守りつつ、時代に必要な挑戦を続けることで、次の161年に何を残せるかを真剣に考えています。『弥栄の酒 寿』という食米大吟醸を通じて、日本酒の新たな可能性と、農業の未来につながる価値創造にこれからも取り組んでいくことでしょう。

この挑戦は、私たち消費者にとっても、日本酒の新しい魅力に触れ、日本の農業の未来について考えるきっかけを与えてくれます。ぜひ一度、『弥栄の酒 寿』を手に取り、その感動を味わってみませんか? きっと、あなたの日常に、そして日本の未来に、新しい光を灯してくれるはずです。🌟😊